「良い借金」「悪い借金」という言い方は絶えず使われますが、たいていは厳密なルールではなく略語としてです。この区別は確かに実在する何かを指しています。ただ、自信ありげな語り口が思わせるよりずっと穴が多く、ルールとして扱うと、本来注意すべき借入に対して気を緩めることになります。
おおまかな区別
良いと呼ばれる借金には、たいてい二つの特徴があります。金利が比較的低いことと、価値を保つもの、あるいは稼ぐ力を高めるものと結びついていること。住宅ローンと奨学金が定番の例です。値上がりするかもしれない住宅や、生涯収入を押し上げるかもしれない資格に対して、控えめな金利で借りるわけです。
悪いと呼ばれる借金は金利が高く、すぐ価値を失うもの、あるいは何も積み上げないものに使われます。必需ではない支出のカードの残高が典型で、多くの場合20%以上の金利が、手に入れた瞬間に値打ちの下がる買い物に対してかかります。
こう並べると、分類は自明に見えます。ところが実際には、面白い事例のほとんどはその中間に落ちます。
ラベルが壊れるところ
この区別は両方向に漏れます。そして漏れのほうが、ルールより重要です。
- 規模を誤れば「良い」借金も悪くふるまいます。金利が快適な住宅ローンでも、返済が収入の大半を食うなら問題です。分類のどこにも、借りすぎから守ってくれる要素はありません。
- 奨学金は賭けであって、保証ではありません。平均としては収入の可能性を上げます。収入増につながらない資格のために大きな額を借りれば、借金だけが残って利益は残りません。平均値はこの事実を隠します。
- 金利は動きます。「低金利」はある時点の性質であって、分類の性質ではありません。安く借りた変動金利のローンは、買ったものが変わらないまま高くつくものに変わりえます。
- 「悪い」借金が理にかなう場合もあります。失業しかねない状況で、緊急の車の修理をカードに乗せるのは自制心の失敗ではありません。手元にある中でいちばんましな選択です。
- 0%の優遇期間はすべてを反転させます。18か月のあいだ費用ゼロの残高は、今日は高くありません。しかしそのあとは高くなりうる。人が予定表に書き忘れるのは、まさにその部分です。
ラベルより仕事をする問い
借金を二つの箱に仕分けるより、抱えているひとつひとつについて三つを問うほうが、たいてい役に立ちます。
- 金利は何%か。これが毎月いくらかかるかを決めます。判断ではなく事実です。24%の残高は、どの分類に属していようと高い。
- 何を買ったもので、それはまだ存在するか。いまも持っている資産に対する借金と、2年前の旅行に対する借金は違う状況です。道徳の話ではなく、実務の話として——片方は売れて、もう片方は売れないからです。
- 悪い月でも返済は持ちこたえるか。いまの収入なら快適でも、その収入が止まれば破綻する借金は、金利にかかわらず、あらかじめ知っておく価値があります。
ひとつ目の問いの簡単な形はこうです。それぞれの残高に年利を掛けて、12で割る。これで、その借金が利息だけで月にいくらかかっているかが出ます。40万円の残高が年22%なら、1円も減らさないうちに月およそ7,300円。120万円のローンが年5%なら月およそ5,000円です。小さいほうの借金のほうが高くつく——良い/悪いという枠組みが覆い隠すのは、まさにこういうことです。
それでもこの枠組みが残る理由
残るのは、本当に役立つ直感を含んでいるからです。消費のために借りるより長く残るものを手に入れるために借りるほうがたいていよく、高く借りるより安く借りるほうがよい。出発点の勘としては、これは健全です。
役に立たなくなるのは、次に何をするかを決めるために使ったときです。「良い借金だから」は残高を無視してよい理由になりませんし、「悪い借金だから」は、無理のない金利の小さな残高にうろたえる理由になりません。何をすべきかを教えるのは金利と残高です。ラベルが教えてくれるのは、たいていその借金があなたに売られたときにどう説明されたか、それだけです。
どの借金に追加のお金を回すか決めるなら、その順序の問いにはよく知られた二つの答えがあります。スノーボール法とアバランチ法のガイドをご覧ください。