表計算には本物の魅力があります。すべてを自分で決められ、数式はすべて見えていて、隠れているものがない。組み立てて手入れすること自体が楽しい人にとっては、まっとうなお金の管理方法です。けれども多くの人にとって、表計算は 二つ目の仕事になります。更新し、突き合わせ、やがて追いつかなくなる、もうひとつの用事です。

家計の表計算は、本当は何のためにあるのか

数式と書式を取り払ってしまえば、家計の表計算はごく少数の問いに答えるために存在しています。何が入ってくるのか。何がすでに決まっているのか。何が残るのか。時間とともに何が変わっているのか。重要なのはこれらの問いのほうで、表計算はいつだってそれに答えるひとつの手段にすぎず、目的ではありませんでした。

自動化が本当に効くところ

表計算の面倒な部分——取引をひとつずつ記録する、異なる請求サイクルを共通の月額に換算する、合計を最新に保つ——は、まさに人が手で担う必要のない部分です。その手入れが自動で行われるようになると、残るのは本当に判断が要る部分だけになります。この数字で大丈夫か。ここに気を向けるべきものはあるか。

よい仕組みの尺度は、仕組みの細部をどれだけ自分で操れるかではありません。「いま自分はどこに立っているのか」への正直な答えが、調べる過程を億劫がらずにどれだけ早く得られるかです。